stARTer kit ーアートの入り口ー

海外の近現代アートを中心に、芸術・ファッションについて更新します。

シノワズリ(中国趣味)とファッション

今更感はあるのですが。

映画「メットガラ ドレスをまとった美術館」のご紹介です。

ご存知「プラダを着た悪魔」のモデル・VOGUE編集長アナ・ウインターとキュレーターのアンドリュー・ボルトンが二人三脚でセレブが一同に集まる夢のパーティー・メットガラを創り上げていくドキュメンタリー映画です。

 

 乗り遅れても紹介させていただきたいのは、ずばり『シノワズリ』という言葉。

シノワズリとは中華趣味・中国趣味と訳されるのですが、理想的・幻想的・想像上の中国のイメージした様式の事です。17世紀後半から西洋で流行りはじめ、ロココの華やかな様式と大変相性が良かったため大ブームとなりました。

 

この映画は2015年のNYにあるメトロポリタン美術館での年に一度のチャリティガラパーティー、通称メットガラを創り上げていくドキュメンタリー。

2015年のテーマは「鏡の中の中国」、ドレスを中心としたファッションの展覧会が組み立てられていきます。名だたるメゾンのデザイナーたちがドレスに込めたシノワズリのエッセンス。ロココの時代ではなくても幻想的な中国のイメージというものには、いつだって惹かれるものですね。

 

シノワズリはイメージの中、想像上の中国という事で、非現実的な側面も含まれているわけです。展覧会関係者はこのあたりの扱い方に難儀していらっしゃりました。それもそのはず、「これが中国です」って言ったら誤解を招きますから。ここまでは中国のあのデザインを取り入れて、自分でこう解釈しましたよってのを伝えるのってただでさえ難しいのに政治的な意味も加わってしまうともーほんとかなり難しい。ですが、見事幻想的な中国をテーマに組み立て、過去最高額の寄付金を集める事が出来たメットガラ、同館ファッション部門史上最多の入館者数を記録した展覧会の成功をぜひご覧いただきたいです。もーうっとりする夢のような美しい世界です!この時のリアーナのドレスはもう華やかという言葉がかすむくらいに華やかです!!まさに世界の歌姫。

デザイナーはグオ・ペイ。2年かけて作り上げたドレスと言われています。

 

最近のファッションだと、TED BAKERや去年頃からのGUCCIあたりでシノワズリの香りを感じますね、鮮やかで素敵です。日本にはないオリエンタルな部分を、アジア圏ではない人々が解釈し、日本でどう受け止めるられるか。いやぁおもしろい。

 

ファッションはアートを超えるのか?

アナ達はそういった美学的な話もしています。まだ一部で上映中ですので、ぜひぜひご覧いただければ!